建築家

この頃、テレビや雑誌に「建築家」と言う言葉が氾濫していますが、建築家とは何でしょう?
独立して間もなく、私の父親ほどの年齢の先輩に諭されました。
「人様からお金を頂いて建築を考えるならば、自分のことを「設計屋」「図面引き」などと、はぐらかしてはいけない。
自分を建築家と名乗るのには照れもあるし、人からは傲慢な態度に取られることもある。
しかし、君に設計を依頼した人は、図面引きを頼んだのではない。建物をつくるパートナーとして自分の建物を託したのです。
施主の期待にこたえる為に、建築家として全力でその責任に向き合いなさい。」

未だに照れますが、それ以来、自分の仕事を「建築家」と名乗るようにしました。
建築家は、デザイナーでも芸術家でも図面引きでもありません。建築家は、住宅・建築を託すパートナーであり、建築主とのコミュニケーションの中から、空間や場所を創造し、丈夫で、美しく、快適な、「建築」をつくる専門家です。