2,400坪の恵まれた敷地に、計画したオフィスです。
製品の企画・開発・製造に携わるクリエィティブなオフィスの為に、2階建ての執務・倉庫棟と、会議室・レストランとで緑の中庭を囲み、緑の中にゆとりあるオフィスを計画しました。
このオフィスを設計する際に、2つの考えを大切にしました。
ひとつは「環境」です。
建物に囲われた緑の中庭は、仕事の疲れをいやす豊かな「環境」です。さらに、北アルプスの伏流水からあふれ出る地下水を利用して、建物の中から中庭に繋がる水路を計画しています。エントランスへのアプローチには、自然の姿を映しだすビオトープをつくります。
また、広い目で「環境」を捉えた時、自然エネルギーを上手に利用しつつ、太陽の日射などから、建物を守る工夫も大切です。主な執務室には、太陽の直射を遮るルーバーを設けて、夏の太陽の暑さを避けるのと同時に、直射日光を遮ることにより、柔らかな自然光を室内に呼び込みます。また、屋根に設けたトップライトや、会議棟の北向きのハイサイドライトも、自然の豊かな光を建物に取り込む工夫の一つです。
アプローチ脇には豊富な湧水を利用して、せせらぎを巡らせました。
執務棟2階テラスと、軸を振った会議室がプランに動きをつくります。
もうひとつ大切にしたのは、「アクティビティー=活動」です。
従来のオフィスでは、スタッフが執務する事務室が主で、如何に効率よく、執務スペースを確保するかが、オフィス建築の目的でした。しかし、スペース効率を最優先した均質な空間は、より創造的なアイデアを生み出すオフィス空間としては相応しくありません。
「働く事」は、人間の生活・営みの大切な一部で、生活の楽しさを喚起するようなオフィスでありたいと考えました。廊下を歩いているだけでも気持ち良くなるような・・・ロビーで一休みする中から、素晴らしいアイデアが浮かぶような・・・人間の活動=アクティビティーを包み込む建築を考えました。
多目的ロビーは、中庭に繋がり、打ち合わせや団らん等に活用されています。
執務棟の2階・執務室は、アルミルーバーで直射日光をコントロールします。
山型のハイサイドライトから、執務室に柔らかな光を落します。
併設の社員食堂を兼ねたレストランからも、中庭の緑を楽しむことができます。
2階建ての執務棟と会議室・レストランとで中庭を囲みます。
2階建ての執務棟と、その他は平屋の建物で、緑の中にのびのびと配置しています。
右手前のレストランと、左側のオフィスへのアプローチ・・・
アプローチ脇には豊富な湧水を利用して、カスケードを計画しています。
執務棟の2階・執務室は、アルミルーバーで直射日光をコントロールします。
執務棟2階テラスと、軸を振った会議室がプランに動きをつくります。
東の田園越しからは、のびやかな建物の立面を眺められます。
山型のハイサイドライトから、執務室に柔らかな光を落します。