松本市郊外の田園風景に浮かぶ、エコハウスです。
建築主は、ニュージーランド人と大阪生まれご夫婦。カナダで暮らしたこともあるご夫婦には、冬暖かく夏涼しい快適な室内環境の住宅は当たり前です。
屋根には10kwの太陽光ソーラー発電パネル、開口部はアルゴンガス入りトリプルガラスの木製サッシュ、全館熱交換空調換気システムを備えています。
更に、建て主は北欧の建築家・アアルトが大好きで、雁行した平面で、コンパクトながら変化する天井が豊かな空間を持つ「エンソ・グートツァイト社管理者の家」の写真を傍らに置きながら設計することになりました。
○○風な住宅・・・というリクエストはあまり好きでないのですが、私も好きなアアルトをリクエストされたら、良しとしました。
特別な理由がない限り、リビングダイニングはグランドフロアに計画し、庭がリビングダイニングの延長となる住宅を計画しますが、建て主のたっての希望で、東の遠景の山並みを望む2階にリビングダイニングを計画しました。
周囲の田んぼと敷地の芝生広場に、建物が浮かび上がります。
エントランスは、大きな土間空間で、畑の手入れの道具や自転車が置かれ、2階に上る階段が脇に位置します。
階段は、建物の中央に2階の天井からのルーバーで吊られています。これもアアルトの建築に良く見られるディテールです。
2階に上がると、大きくうねる天井と、東南に面した出窓が目に飛び込んできます。
リビングダイニングの窓からは、東南に伸び伸びした田園風景と山並みを望むことが出来ます。窓の開口は、天井を抑えてたリビングのソファーに座った目線。高い天井のダイニングの窓は、ダイニングテーブルやキッチンに立った目線の高さでデザインしています。
東南のリビング角からのリビングダイニング全景。左手にプレイルーム、右手にダイニングキッチンを、曲面で変化する天井の一体空間に配置しています。
ダイニングに続くキッチンは天井を抑え、アイランドキッチンでダイニングと向かい合います。
プレイルームは、子供の遊び場や勉強スペースとして、常に家族が豊かな空間の2階スペースで過ごします。
快適な室内環境の家族の生活が、田園と芝生広場に浮かび上がる住宅です。