Yard Box House

現場レポート

屋根を施工しました。屋根の一寸勾配と敷地の傾斜を合わせています。

素材は、ガリバリューム鋼板素地の厚さ0.8mmのキーストンプレートです。

設計・コンセプト

林業に従事するお施主さんが選んだ土地は、リンゴ畑の中、伊那谷を挟んで中央アルプスを望む最高のロケーションです。60M×30M程の広大な敷地は、なだらかな東向きの斜面に広がっています。

林業という仕事がら、作業着を着替えたり、チェーンソーの目立てをしたり、建物のインテリアは小さくとも、[大きな半屋外の庇下の作業場=Yard]が欲しい、という希望がありました。
建設費もローコストに抑えつつ、大きなYardを確保するべく、敷地の勾配に合わせた緩い傾斜の一枚の単純な大屋根を計画し、その下に、[棲家となる小さな箱=Box]を置くことにしました。
一般的な、壁や柱の上に屋根が載るスタイルの建築ではなく、大きな屋根の下に、居住空間Boxが置かれた建築です。

敷地の傾斜をなぞるように、スキップフロアーのインテリアの廻りに、大きな半屋外空間が広がります。

居住空間Boxから浮いた屋根は、雨水と太陽の熱遮から、居住空間Boxを守ります。

大きな屋根の下に、[棲家となる小さな箱=Box]がおかれ、Boxの廻りは広い半屋外空間です。

リビングやダイニングは、眺望の良い東側に大きく開いています。

敷地の傾斜に合わせた大屋根。建物は、敷地を削り取るように、わずかに埋められ、大地に溶け込んでいます。

周りや寝室は、敷地の南側、森に向かった面に計画しています。

風呂の窓は大きく開き、屋外と繋がります。

屋根はコルゲート板の単純な屋根・Boxの外壁や天井は針葉樹合板、フローリングやアクセントとなるカラマツの板は、お施主さんが手に入れた、簡易製材機械で、間伐のカラ松を板に引く予定です。


ちなみに、この模型は、事務所の新人スタッフが、屋根の大きさ・箱のボリューム・開口の取り方のバランスを、模型を造っては壊ししながらスタディーしました。
その様子は、事務所のブログに書いています。
新人スタッフ奮闘中